1歳半で阪神大震災で天国へ旅立った息子と生きていてくれた娘のために
 

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【 パパ・ママの想い 】

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ゆうちゃんへのてがみ 5

『ゆうちゃん 生きていてくれてありがとう』

あの震災から15年。

1歳半だったあなた。
「死」の意味もわからず、
死んでしまったしょうくんの体を
ポンポンとたたいて起こそうとしていた。

3歳のあなた。
泣いているママの涙をティッシュで拭きながら、
「ママ、大丈夫だよ、しょうくんは、ここにいるよ」と
頭をヨシヨシして慰めてくれた。

小学生になったあなた。
法事の時、いつもママの目頭に指をあてて、
ママが泣いていないかを確かめていた。
あなたは、『きょうだいの死』よりも
『自分のきょうだいを失い泣いているママの悲しみ』や
『自分が愛されているかどうか』という思いと
向き合ってきたのかもしれない。

中学生になったあなた。
友達関係で悩み、
あなた自身が、『生きる』ことと向き合った時期だった。

二人で泣きながら色んな話をしたよね。
ママは、生きていることの素晴らしさや命の大切さを
子どもたちに伝える活動をしていた。

なのに、そばにいて一番大切に思っているあなたに、
そのことを伝えきれていなかった事を知り
ショックを受けた。

大切に思いすぎて、
あなたを守りすぎて、
一人で強く生きていく方法を
教えてこなかったのかもしれない。

15年が過ぎた今、あなたは、高校生に。
あなたは、
「ママ、学校がすごく楽しい。友達っていいね。中学生の時に辛い思いをしたから、今、友達のありがたさをいっぱい感じられるのよね」と笑顔で話してくれる。

そんな、あなたの笑顔を見ていると、ほっとできる。

一緒に買い物に行ったり、お化粧の話、
ファッションの話などをして、
大人の女性として成長していくあなたを見ていると、
子どもを失って悲しく辛いはずの人生なのに、
「なんか幸せ♪ あの時、自ら命を絶たなくてよかった」って思う。

しょうくんを失うことで「死」と向き合い、
あなたが生きていてくれた事で、「生」と向き合ってきた
ママの15年間。

震災15年である、来年の1月17日に向けて、
『震災を伝えるために何かをしたいと』と
話してくれたあなた。

しょうくんと過ごした時間や
震災の事を覚えてないあなただけど、
この15年間で、あなたなりに
「しょうくんの死」や「震災」と
向き合ってきたということを改めて知った。

あなたが、どれだけのことができるか わからない。
その思いだけで終わってしまうかもしれない。
それでも、
あなたが、何かをしたいと思ってくれていることを知り、
ママは、この15年のことを
温かい気持ちで振り返ることができる。

これから、大人になって行くあなた。
いつの日か、自分の人生を振り返る時が来た時に、
楽しい時間をたくさん思い出すことができて
周りにいてくれた人の存在の大切さに
感謝できるような「人生」を過ごしてほしい。

ママも、これからの人生、
いっぱい楽しいと思えるように生きて行こうと思う。

「子どもを失うような辛い経験をしても、
自分自身が前に歩こうと思い、
周りに素敵な友達がいれば、
再び笑うことができる」ということを
あなたに伝えたいから。

ゆうちゃん 生きていくれて ありがとう
2009年9月

 


これは、2009年9月、NHKの『リエゾン被災人』(http://www.nhk.or.jp/hisaito/index.html)という サイトに投稿した文章です。

その後、娘と『震災15年1月17日』に向けて何が出来るかを考えてきました。意見が合わず、ケンカになったこともありました。でも、この3ヶ月間、娘と「息子のことや震災のこと」について話す機会が増え、娘がどう思っているかを少しだけですが、知ることが出来ました。

そんな中、娘は、私の友達で、神戸市兵庫区出身で、現在、東京で阪神淡路大震災を伝える活動をしているママの友達に自分の想いを伝えました。そして、友達とその友達と一緒に防災や震災のことを伝える活動をしている東京のある区の防災課が、2010年1月11日、東京で娘の想いを伝える機会を作ってくださいました。「1・17 今 わたしたちにできること 〜震災を知らない子どもたちへ〜」という会です。
娘の想いを形にするために企画準備を進めてくださったみなさま、そして、参加してくださった高校生のみなさまに心より感謝いたします。

娘は、自分の思いを言葉にするのは初めてだったので、何をどう表現していいのか全く分からず、私が、娘と色んな話をして聞いた『娘の想い』をまとめ、原稿を書きました。それを娘が、娘の言葉に変えてみんなの前で読みました。
100%自分の言葉ではないですが、娘にとっては、自分の想いを皆さんの前で伝えるという経験は初めてでしたので、とてもいい機会をいただいたと思っています。

娘には、この経験を通じて、自分が何かをしたいと言ったことで、それを聞いた人たちが自分のために時間を作って動いてくれたこと、そして、あれだけの素敵な会を開いてくれたことに感謝する気持ちを持ってほしいと思います。
そして、その人のつながりの素晴らしさを体験として心にしっかりと刻んでほしいと思っています。

また、娘が「何かしたい」という気持ちを聞いて、「なんでも、言ってや! ゆうちゃんのためなら何でもしてあげるで!」と、言ってくれている温かい人たちが、娘の周りにいることをいっぱい いっぱい感じてほしいです。

そして、今回、出会ったいろんな人たちとも、これからもつながっていけることの素晴らしさを感じてほしいと思っています。

 

最後に・・・
ゆうちゃん

あなたは、今、高校1年生。たくさんのことを感じることができる年齢だと思う。でも、その思いを、素直にその思いを外に出すには、もう少し時間が必要かもしれないね。この先、あなたが大人になっていく中で、“きょうだいの死”“震災”について、今まで以上に色んなことを感じていくことになるでしょう。高校生になったあなたには、もう、自分で色んなことを考えて行動できる年齢になっているのですね。

将君が死んでしまったことは、どんなに変えようと思っても、決して変えることができない現実。その現実をどう受け止めて生きていくかは、あなた次第。そして、それは、他のすべてのことに共通していることなの。

 

ママは、ママの高校時代の友達に25年ぶりに再会することで、ママにも子どもを失っていない時間があったことを思い出しました。
その同級生たちは、子どもを失って悲しんでいるママを受け入れてくれました。25年会ってない友達も高校時代話したこともない友達もあの時、同じ学校で長い人生の3年間を過ごしてきたというだけで、ずっと昔からの友達のように仲良くなれました。そして、また、ママの人生を楽しく過ごしたいと思えるようになりました。
ママは、同窓会をして、中学高校時代の友達の存在ってすごいなって思ったよ

今、あなたは、そんな友達と出会える高校時代を過ごしています。
何気に一緒にいる友達も、あと何十年かたって再会した時に、お互いを支え合えるそんな関係になれるかもしれない友達だということを感じて今のこの時間をすごしてほしいです。

そして、あなたのこれからの人生、色んな経験をし、色んなことにしんどくなって疲れてもう駄目だ・・・一人ぼっちだ・・・と悲しくなることがあるかもしれない。
そんなときでも、パパやママは、いつもあなたのそばにいるからね。たとえ、パパとママが、年をとって天国へ旅立ったとしても、あなたのそばにいつもそばで寄り添っていることを忘れないでね。
2010年1月13日
ママより

 


追記:2010年1月14日

東京での会のあと、娘が言いました。
「ママ、人を信じて行こうと思ったら、一人でもいいから、本当に自分のことを愛してくれていると思える人がいないとだめだよね。ゆうちゃんは、大丈夫だよね。ママがいるもんね」
東京での会で娘は、私に愛されていることを感じてくれた様で、この言葉はとてもうれしい言葉でした。

そして、きょうだいの死、震災に対して、今までと違った思いを感じようです。

「ママ、将君って本当にいたんだね。1月11日に東京に行って、そう感じた」

この経験で、娘は、今までと違った思いで震災を感じていくのかもしれないなと思いました。

 

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