1歳から幼稚園入園まで
1995年2月17日
仏壇が届いた日 仏壇が届くため、お骨としょうくんの写真を移動しました 写真がやっとゆうちゃんの手のとどくところにきたその瞬間、ゆうちゃんは、だあーと来てしょうくんの写真にほおずりをしたまま写真を離しませんでした。仏壇が置かれ写真をおこうと思っても泣いていやがりました
そのとき、初めて悲しいのは大人だけではなく1歳半のゆうちゃんも寂しいのだと感じました おなかの中からずっと一緒でいつもいつもくっついていてお互いからだのどこかが触れていることで安心していたのですから 「死」 の意味がわからなくても体すべてで、しょうくんがいなくなったことを感じていたことでしょう
それからしばらくして、さわっても危なくないように、しょうくんの写真をカードケースにいれて、いつでもしょうくんにふれらる様にしました。
ゆうちゃんは、そのしょうくんと一緒にご飯を食べたり、寝たりほおずりをしたりいっしょにすべりだいをしたりお話したりしています。ゆうちゃんの中にちゃんとしょうくんがいるようでとってもうれしい。
しょうくん、ゆうちゃんが写真に向かって『ちょーくん』と呼んでいるの聞こえていますか? 今もそのしょうくんは椅子に座って一緒にご飯を食べています。
1995年10月
思いきって、ヤマハの教室にゆうちゃんを連れて行った時の事。レッスンがが始まる前、ゆうちゃんに「しょうくんと一緒にしようね」って言ったら、レッスンが始まるといきなり自分からしょうくんの写真をかばんから取り出して隣にいるおかあさんに写真を見せた。
それがきっかけでしょうくんのことをその人に話せた。いろんな人にしょうくんのこと話したい私にとって、ゆうちゃんのその行動は、しょうくんのことを自然に話す機会を作ってくれた。ゆうちゃんにとても感謝。
ある日、遊んでいると突然、ゆうちゃんが篭を帽子のようにかぶり自分を指さして、「ちょうくん」という。どうも自分がしょうくんになったつもりでいるらしい。
私たちが「ゆうちゃんがしょうくんになったの」? と聞くとうんと、すごく嬉しそうな顔をする。
私たちの方がどう話したらいいのか何を言ったらいいのか戸惑ってしまう。でもゆうちゃんがしょうくんになりきっているのをわざわざ否定する気にもなれず、ゆうちゃんの心の中にしょうくんが存在していることを嬉しくうれしく思った。
1996年1月17日 一周忌の時のゆうちゃん
被災地の西宮の高校の体育館でで合同の慰霊祭があり皆で出席しました
ところが、体育館に入り慰霊祭が始まったとき、急にゆうちゃんが大泣きし始め、体育館から出たいといい始めました。
私としては、心を張り詰めて出席した慰霊祭なだけに、すぐにでも戻りたかったのですが体育館の入り口に近づくと、そこから逃げるように泣き始めるので、結局、慰霊祭が終わり人が出てきてからやっと中に入ることが出来、献花をすることが出来ました。
私が、中に入ろうとしないゆうちゃんに対して腹を立てていたので、ゆうちゃんも余計に泣いたのでしょうね、それにしても 何故、あんなにも嫌がったのでしょうか?
子供心にママが泣くのを見たくなかったのでしょうか?
ゆうちゃんは、しょうくんのことを、2歳過ぎまでは、純粋にしょうくんの存在を信じていました。
雪だるまを作って、写真のしょうくんへ見せているところ
幼稚園に入るまでの2年間
私がほとんど外に出れなかったので、ゆうちゃんの頭の中にはしょうくんがいっぱいいました 会話の中にも、絵を描いても
いつもしょうくんと一緒でした
いつもしょうくんの写真を持たせて外出もしていました。 お友達が、兄弟の話しをすると自分でその写真をポッシェットからだしてほおずりをしながら、ゆうちゃんの兄弟はしょうくんだよね〜と私に同意を求めて、しょうくんの存在を確認していました。
いろんな事が分かってくると、「しょうくんいないよ」、と疑問を持つようになってきました。
ゆうちゃんにとって見えないしょうくんに少し不安を感じていたのかもしれません
1996年4月 2歳9ヶ月
この頃からゆうちゃんもしょうくんのことを人に、話すことをはじめました。車を買いに行った時に、お店の人に「しょうくん地震で死んじゃったんだよね」と初めて、しょうくんが死んでしまったことを言葉に出して言いました。「死ぬ」という意味をどれだけ理解していたのでしょうか?私が、人に話していた通りのことばを話したゆうちゃん・・・、ゆうちゃんがそう言ったこと、しょうくんのことをはなしてくれたということで、とってもうれしかったです。
1996年10月 3歳3ヶ月
死んじゃったしょうくんの絵を描きました、ベットのような物にしょうくんが寝ていて、ゆうちゃんママ、パパがし離れたところにたっている絵でした。
よく、いつしょうくんは帰ってくるのかな、と聞いていました。 そして3歳半に近づくと、自分のいる世界と死んでしまったしょうくんの世界が違うことがわかり始め、しょうくんは、神様のところにいると言い始めました。
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