1995年10月23日(火)0:10
将くんへの手紙
将くん 何してる?将くんがいなくなって9か月と6日になろうとしています。将くんがいなくなって家の中は、むちゃくちゃです。というより ママがだめです。将君の所に行きたくて行きたくてどうしようもありません。ママが将君の所に行ってしまうと優ちゃんのことが心配になるのだけど、でも、ママのそばにいない将くんのこともとっても心配です。とってもつらいときは、優ちゃんには、パパもおばあちゃんもおじいちゃんも、そしておじちゃん、おばちゃんたちがいるけれど将くんは、一人ぼっちだからママがいってあげないといけないんだと思うのに、一度目は、1月17日に一人ぼっちで死なせてしまい(いつも一緒だよって言っていたのに)、結局9か月経った今でも死ぬことができず、2回も将くんを見捨ててしまう気がして、いつも頭から「将くんのところに行きたい」ということが離れません。だから、ママは、今何も怖くありません。病気はもちろん、この岩国にもあると言われている“活断層”(マグニチュード7以上の地震が来る可能性があるんだって)、その地震で将くんと同じように建物の下敷きになるか、仏壇の下敷きになって死ねたら本望です。そうなるとことを真剣に望んでいます。もっと、すごい事を告白すると、ママは、パパや優ちゃんが死ぬのも怖くない、もし優ちゃんまで死んでしまったら、ママは、迷わず二人の所へ言ってあげれるから。いつも、ぶつん段に手を合わせているときに言っているけど、“将くん寂しかったらいつでもママを呼びにおいで それかどうにかして そばに来てほしいというメッセージを送ってね。それがわかるとママは、将君のそばに思い切って言ってあげれるから。
最近、パパとママの仲があんまりすっきりしません。というよりも ママがパパのイライラをちゃんと受け止めあげる余裕がないの。パパがイライラしえくるとママもすごくイライラして頑張っている気持ちが積み木を崩すように一気に崩れてしまうの。そうすると、優ちゃんにも必要以上にイライラしてあたってしまうの。最悪でしょう。パパもこんなママに困っているようで、仕事で疲れて帰って来て 本当なら家でゆっくりしたいのに暗くて鬼のようなママを見て、そして相手にするのって疲れるよね。それでとうとうパパも怒り出してしまう。そうなるとママの頭の中は、将くんのところに行くことしか考えなくなるの。こんなママは、いないほうが パパや時には、ゆうちゃん(やつあたりしたり、人から「家に閉じこもったり ちゃんと相手にしてあげないと優ちゃんがかわいそう」と言われたりすると)にとってしあわせじゃないかと思ってしまう、今だってそう思っているよ。その時は、“あ、将くんが呼んでいるんだ!だから、こんな状況になるんだ”って思ってしまう そしたら、余計に将君の所にいきたくなるのよ。
ねえ、将くん ママのこと呼びに来てよ、できたら 優ちゃんも一緒がいいな。パパも一緒が最高なんだけど パパは、死後の世界ってないって断言しているからきっと、無理だと思うよ。死後の世界信じてほしいんだけどね。まあ、とりあえず3人で 1月17日以前と同じように わあわあ騒ぎながら楽しく過ごしたいね。今から寝て、次目覚めたら 将うんと同じ世界にいたいな。毎日毎日本当にそう思っています。だって将君のいない世界で暮らしてもつまらないもの。
もう、1時27分だ。もう、ママも寝るね おやすみ 将くん(優ちゃんは、23時に寝たよ)
1995年10月23日(火)12:51
将くんへの手紙
将くん 今何していますか?優ちゃんは、お昼寝をしているので、きっと将くんも寝ているよね。今朝、パパが、昨日は寝てごめんって言ってくれたけれど、ママは、将君のことに行きたいと思っています。将くんがいなくなって、ママ仁手は、すべてのことがどうでもいい気がします。たまに気分が前向きになっても、頭からは、将くんが消えません。ママには、優ちゃんも将くんも 同じぐらい大切で、二人のどちらかがいなくなってもダメだし一人だけのために何もする気がしません、だから、優ちゃんだけを残して将君の所にも行けないのです。だから、今は、ママは、将くんよりも優ちゃんを選んでしまっています。あの時、将くんだけをひとりぼっちにさせて、今、また将くんを見捨ててしまっています。それが今とてもつらいです。だから、将君の分もいきなくちゃとか、将くんが守ってくれているとか思えません。だけど、優ちゃんのためだけにも生きてけないので、何でも将くんと優ちゃんものを二つ買っています。ママのお腹の中に二人がいるとわかったときから、二人がひがまないように、何でも一緒に、そして二つ用意してきたので、優ちゃんの分だけ買うことができません。将くんがいつもいるつもりで生活しています。ママが生きていくためではなく、将くんが、どこかで見ていて“僕の分がない”って思ったらかわいそうなので 今まで通りにしています。そして、優ちゃんの中には、いつまでも将くんと優ちゃんは、双子で生まれて楽しく過ごしていた、ということは、覚えていてほしいから(そうしないと、優ちゃんは将君のことを忘れてしまうから…1歳6か月だったので)。将くん 早く会いたい。4人で過ごしたあの日が帰って来てほしい。今は、ただそれだけ。
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