2003年1月17日
兵庫県のA小学校の6年生の先生からメールをいただきました。

『将君のホームページ』を使って授業をしていただき、
子供たちの感想を送っていただきました。

将君のhp、見せていただきました。実は、私は、このhpには、3年前に初
めて出会いました。そして、それ以来、この1月17日の前後に、必ず担任し
た子ども達にこの将君のhpを見せています。
 
私は、初めて読んだときの胸の内を今でも覚えています。涙が止まらず、い
つまでたっても溢れかえった思いを。一人の命の尊さ。家族というもののあた
たかい存在。そして、震災という出来事。そんな私が感じた気持ちを、これか
らを生きていく子ども達にも、ぜひとも知ってほしい、感じてほしいというこ
とから、このhpを使った学習を考えました。

ただ、授業といっても私の場合は、このhpにある、お母さんの書かれたことを、子ども達に見せながら読み上げるだけにしています。

そして、感じたことを子ども達が紙に書く。授業とすると、hpの中に込められたものが素直に入らないのではないかと思ったからです。ただ、読むだけ。書かれていることから、子ども達なりの感じることを見つけていく。その方が、今の子ども達の心の中に、大切なことが残るのではないかと感じたからです。

案の定、話を聞く子ども達の顔は真剣そのものです。書かれていることは、勉強のための材料ではないのです。「人の声」なのではないでしょうか。将君のお母さんの、そして家族やたくさんの方の。

涙をためながら、話を聞く子ども達は、将君からたくさんのことを教わりました。今後を生きる子ども達、そして私に、たくさんの元気とやる気を与えてくれました。「将君、ありがとう・・・」この思いでいっぱいです。

私は、たくさんの子ども達に、この将君の存在を知ってほしいと思っています。だって将君は、今も生きているように感じられて仕方がないから。1歳半の人生を精一杯に生き抜いた将君という「人」をたくさんの人に知ってもらい、将君のお友達を増やしていきたいと思っています。私は、これからも、この将君のhpを見続けます。だから、お母さん、がんばって下さい!将君といっしょにがんばって下さい!私たちも、いっしょになってがんばります。子ども達も、きっと将君と同じようにがんばってくれると思います。


子ども達の書いた感想をいくつか送ります。みていただければ幸いです。それでは、本当にたくさんの貴重な思いをありがとうございました。


A小学校のみんさんへ

『将君のホームページ』を学校で見てくださって、感想を書いていただきありがとうございました。うちの子供よりも3歳大きいだけでこんなにしっかりと文章がかけるなんてびっくりしました。

みんなの感想しっかりと受け止めて、これから先生きていく上での
力にしたいと思っています。どうもありがとう♪

いただいた感想を紹介させていただきます

☆将君の死は、私たちには分からないぐらい悲しかったと思います。だけど、将君のかわりにも、一生懸命楽しい生き方をすると、将君も幸せだと思います。優ちゃんに、将君のことをずっと話してあげると、優ちゃんは忘れないと思うし、将君はうれしいと思います。私も、ホームページを見ていると、悲しい思いになってきました。将来、私にも子どもができ、同じようなことにあったとしたら、本当に悲しくつらい思いになると思います。でも、そこで立ち上がれる自分になりたいです。だから、将君のお母さんにもがんばってほしいと思います。
☆私は、ホームページを見て、本当に泣きそうになりました。それは、今まで「阪神・淡路大震災」というのは、とても大きな地震、多くの犠牲者をだしたもの、とそんなに深く1月17日という日を考えたことなんてありませんでした。だけど、今日、阪神。・淡路大震災への考え方が変わりました。「将君、天国で元気にしてるかな・・・」、「さみしくなったら、いつでも迎えにきていいからね」・・・そんな文を読むと、心が痛くなって、今まで簡単に考えていた自分が許せなくなりました。「お母さんは将君が亡くなってしまって、本当に、本当につらかっただろうな・・・」「自分があの時、場所をかえてあげていれば・・・」、そういう思いを背負って生きるって、言葉とは違ってとてもつらいと思います。だって、自分の子どもなんだから。それでも、自分は生きていくって決めるって、予想以上に難しいことだと思う。明日は、1月17日、メモリアルデー。いつもとは(今までの1月17日とは)違う気持ちで、亡くなった多くの人の気持ちを考えて、その日を過ごしたいです。うまくいえないけど、地震ってこわい。そして、この将君のお母さんはすごいと思う。
☆私は、将君のホームページを先生に紹介してもらった時、その将君のお母さん、よくその状況が書けたなあと思いました。私が、将君のお母さんなら、悲しくてつらくて書けないと思います。すごいなあと思いました。家に帰って、パソコンで見ると、すごく将君がんばったんだなあと思いました。私の家も、同じくお父さんが仕事でいませんでした。地震が起きたときは、県営住宅の1階に住んでいました。私は、4歳だったけど状況はよく分かりました。地震の前に起きたからです。ゆれていて、こわくて何もできませんでした。その後、お母さんが妹にミルクをあげていたので良かったですが、妹がねていた場所にタンスが倒れてきたのです。妹は、生後5ヶ月だったので、将君より小さくて、命を落としてしまうところでした。助かって本当によかったです。でも、私は、8年たった今でも、何人もの尊い命を奪った地震は許せません。ですが、私は、この今を生きていく限り、最後までの人生を存分に楽しんで、生きていきたいです。将君のお母さんも将君のことは忘れてはいけないけど、将君がみんなの代わりに天国にいった分、お母さんが楽しく生きていってほいしいです。将君は、お母さんに命をさずけたんだから、思い出をいっぱいつくって下さいね。私もがんばります。
☆私は、ホームページを見る前に、先生が、「このホームページに出会ってから、毎年担任した子には見せてる。先生も泣いた。」といった時、「先生も感動するくらいいいものなのか?」と思いました。最初の方は、何となく普通にボケーと読んでいたのですが、途中(将君がおじいちゃんに肩車をしてもらっていたところ)から、何だか目の奥が熱くなってきて、最後にはちょっと涙が目にたまっていました。たぶん、一人で読んでいたら、本当に泣いていたと思います。特に、偶然が重なってしまい、将君を亡くしてしまったお母さんの思いは、私にもしみじみと伝わってきました。私が大人になって、もしこんなことが自分の家族にあったら・・・。私も将君のお母さんと同じ事を思うと思います。私にも、西宮の方に親戚があり、何もかもがめちゃくちゃで、大変だったと聞いています。神戸の方は、もっとひどかったのではないですか。なくなった方も多かったですよね。でも、近所の人の協力がなかったら、もっと多くの人が犠牲になっていたと思います。自分も危険なのに周りのことを考えてくれていた人がいたから、少しでも多くの人が助かったと思います。将君のためにも、何人かの人が来て下さったけど、将君もうれしかったと思います。1月17日。将君のためにも、その他、亡くなられた人のためにも、震災のあったことは、誰もがわすれてはならないと最後に思いました。それが、将君達にとって幸せだと感じたからです。
☆将君は、お母さんに短い時間でもいっしょにいられてうれしかったと思う。将君は、お母さんに、自分と同じ場所に早くきてほしいとは思っていないと思う。たとえ、そばにきてほしくても、将君はお母さんに、少しでも長く自分の分生きてほしいと思う。将君がお母さんのそばにきてくれると思う。震災で、たくさんの方がなくなられ、自分の大切な人の死に目にも会えなかった人もいると思う。人が死ぬのはあっけなくて、昨日まで笑っていた人の顔がみれなくなるからつらいと思う。一番いやと思うのが、ひつぎに釘を打つときと、火葬場に行ったときだと思います。ゆうちゃんと将君も大きくなっていくんだと思います。将君は、短い時間でもこの世界にいられたことで、いろんなことがあって楽しかったりうれしかったと思う。
☆自分は、このホームページを学校でみて、とても悲しくなった。そのあと家に帰り、また見て泣きそうになった。将君は1年半と少ない人生だったけど、とても楽しかったんではなかったのかなあと思います。将君のお母さんがいろいろ後悔するのは分かる。でも、自分はこのホームページを見て、命という一つのものの大切さが分かった。自分は、今生きていることに感謝したい。将君は、こんなすばらしいお母さん、お父さんの子どもでよかったと、天国で思っていると思います。このホームページを見た人は、子どもから大人まで、とても感動すると思う。自分は、あらためて命の大切さが分かった。このホームページを見て良かった・・・。
☆今日、将君のホームページを見ました。たまたま行った神戸で地震が起こるなんて思ってもいなかったと思います。そして、たまたま将君のねた位置が原因で、帰らぬ人となったことは、かなりつらかったと思います。ぼくは、大切な人を亡くした経験がないので、将君をなくした気持ちは分からないけど、気持ちで表せないほど、つらく、悲しかったことは分かります。このホームページを見て、まだ、1歳の子でも亡くなっていることを知った。亡くなった子は、やりたくても何もできない。だから、やりたいことができるぼくたちはできることを精一杯やったらいいと思いました。そして、生きれていることが幸せということをあらためて感じました。

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