MAMA'S DIARY

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震災から6年目


9月

9月30日
今朝、久しぶりに将くんの夢を見ました。

いつものようにみんなで外で遊んでいるところに、優ちゃんと同じ7歳ぐらいの将くんもいました。でも、私は、また将くんが死んでしまうんじゃないかと、
心配しながら将くんのすべての変化を見つめていました。
しんどそうな表情、弱々しい動きなどをどきどきしながら・・・・。

そんな日々を、何日か、もしかしたら1日だけだったかもしれない、数時間だったかも・・・でも、私にとって一瞬のことでなく、何日も将くんと過ごしているように感じていた。こんなに長い時間一緒にいて、たくさん笑っている将くんを見るのは、久しぶりでした。

はじめは、また逝ってしまうかもしれないという不安ばかりだった。でも、元気そうに遊んでいる将くんを見ていると、もしかしてこのまま生きていてくれるんじゃないかなという確信に変ろうとしていた。お医者さんに「こんなに元気なら、普通にサッカーができますか?」と聞いたところ、「サッカーのような激しい運動はもうできない」と断言された。でも、『生きているからいいか』なんて割りきっていた。
将くんが、たくさん走って、たくさん笑って、みんなと一緒にいるのを見ているのがすごくうれしかった。

急に場面が、変ってお昼寝しているあの時と同じ1歳半ぐらいの将くんがいた。
顔をじっと見ていると、目が大きくあいて、目を覚ました。その目覚めの瞬間を見たときに、『ああ、将くんは、これからもずっと生きていてくれるんだ』と、感じた。もう死なない、ずっと一緒なんだとうれしかった。

それで終ってしまった将くんの夢。起きてみれば、やっぱり将くんはいなかった。

夢の中だったけれど、笑っている将くんが見れてすごくうれしかった。起きてすぐに、側にいる優ちゃんに『将くんの夢を見たんだよ』と話した。『何歳の将くんだった?』と聞いてきた。『優ちゃんと一緒の、7歳だったよ』と話した。
パパにも、『将くんの夢を見たよ』と、言った。『いいな…』との返事。
家の中で一番いいプレゼントをもらったようで、誇らしい気持ちだった。

とっても、うれしい朝だった。将くん、素敵なプレゼントをありがとう♪

9月12日
人間気持ちって、不思議です。
同じものを同じ人が見ても、その時の気持ちの持ち方で感じ方が違ってくる。
特に、将君を亡くしてから、同じ事をいわれても 受け止め方ひとつで元気になったり落込んだり・…。
元気になる受け止め方をする事はいい事かもしれないけれど
時々息切れしてしまう私…。

でも、最近やっとまわを見る余裕ができてきて、感じた事・…
今までいろんな事で傷ついて落込んでその人を信じられなくなって…
悩んできたけれど、その人も私を傷つけようと思っていたのではないのかなって思えるようになりました。

私自身も自分の事を色んな所で話しているけれど、ある人には励ましになっているのかもしれないし、ある人には辛い言葉になっている事もあるのかもしれない。
そんな事に気が付き始めると、人の事を責める事ができなくなってしまいました。

そんな思いから、ちょっとした事には腹が立たなくなってきました。
その分、人に色んな事を話すのが怖くなってしまいます。
傷つけているんじゃないかなって…・。
そんな事を思い始めて、最近はあるMLに投稿するのが
怖くなってしまいました。


私って、子供を亡くしたように見えないのかな?
ある人に将くんの事を話した時にすっごくびっくりされて、
『そんな風に見えなかったから、色々頼っていた、ごめんね』といってくれた。
その方も最近、お父様を亡くされていて、二人で泣きました。

今では、人には将君が亡くなった事がわからないぐらい、
元気な振りをして生活できるようになりました。実際、元気に生活をしているのかもしれません。
でも、まだまだ色んな人のちょっとした日常の言葉に傷ついて悲しんだり、
色んなものを見て辛くて涙を押さえるのが精一杯な時も
たくさんあります。

自分の中で、悲しみに向かわないように気持ちを切り替えるのが
すごく上手になりました。


9月11日
今日は、ちょっとうれしいことがありました。
この1ヶ月近くとっても気になっていたこと。その人にありがとうと伝えたい…。

最近、少し心が沈んでいます。それは、七五三・…。
去年は、辛くてそんな気にもならなかったのだけど、今年は、いろいろあって、写真だけ撮る事になっています。
その写真も本当は辛いです。でも、入学式に将くんと一緒に撮れたことが、悲しかったけれどうれしくて、七五三も大丈夫かもしれないと思って決めました。

七五三が近づくに連れて、やっぱりダメかもしれないと思い始めています。

優ちゃんには、私の着物を小さく縫い直して晴れ着にしてもらっています。
隣に住んでいる「いとこ」と一緒に写す予定なんだけど、
やっぱり将くんがいない七五三は辛い・…。でも、優ちゃんの事を思うと写真ぐらいは撮ってあげたい気持ちもあるし・…。

でも、きっと私のこの気持ちをみんなに伝えられなくて、おめでたい
七五三の写真撮影になってしまいそう・・・・。
入学式のときと同じように、将くんも一緒に撮る予定にしているけれど、あの時のようにしみじみと撮影という具合にはならないだろう…・

弟達の転勤の前に一緒にというのが理想なんだけれど、今の私の心の状態では、無理かもしれない。随分、無理して頑張ればできない事もないかもしれないけれど・…。言葉では、言えないかもしれない…・。

この日記を母や弟達が見てくれればいいのだけどね、
時間だけが、刻々と過ぎていく・…。

この間、『ありがとう・さようなら』(←ここから聴けます)のCDを借りてきました。
よく卒園式で歌われる歌なんだけど,この歌を、ずっとHPの中で使いたくてmidiと
歌詞を探していました。この曲の想い出も書いてあるので、1度聞きに行ってね。


『ありがとう・さようなら』

9月1日
インターネットを通じて、私と同じ双子のお一人を亡くされた方とめーるでお話する機会がありました。

私が、この5年8ヶ月ずっとこだわっていた『双子』という言葉・・・・、
私にとって、辛い言葉であるのに大切な言葉・…。
他人から双子という言葉を聞くと、心臓が止まりそうになって、顔が引きつってしまう。6年近くたってもその気持ちは、変わっていない。

そのくせ、双子の親にこだわって、将くんが生きている時に入っていた双子のサークルをやめられずに未練がましく、会員のまま…。
もう、今では、私が言わない限り、私のことを双子のお母さんとは誰も言ってくれなくなってしまったし、私を双子ちゃんのお母さんと言う目で見てくれる人もほとんどいなくなってしまった気がする。

そんな想いをわかってくれるのは、同じ経験をした人だけなのかもしれない。
その人に出会えて、一筋の光がさしてきた気がします。
今日は、悲しいのに心が軽くなった1日でした。