1歳半で阪神大震災で天国へ旅立った息子と生きていてくれた娘のために
〜私たちを支ええてきてくださったすべての方に感謝をこめて〜

1995年1月17日 午前5時46分に起こった阪神淡路大震災で 私たちの息子は、1年6か月の人生を終えました。 息子を失った悲しみ、守ってあげれなかった後悔、そして自分が生き残ってしまった罪悪感は、一生消えることはないでしょう。わずか、1歳6か月で旅立った息子が、この世に存在していたこと、そして、その命がこれからも生き続けてほしくて、そして、あの時、生き埋めになりながらも、生きていてくれた娘の命に感謝を忘れないためにこのホームページを立ち上げました。これまで、私たち家族に寄り添い支えてくださったすべての方に感謝いたします。

2011年3月11日に起こった東日本大震災、あの日から1年。
1年・・・ たったの1年しかたっていません。
大切な人を失ったり 会えていない人たちのことを思うと
あの日の自分の想いと重ねあわせ 毎日 つらい思いで過ごしています。

阪神大震災から2か月後、私の中で時間が止まっていました。
家の窓から見える桜の花のつぼみが少しずつ膨らんでいく様子を
とてもつらい思いで毎日見ていました。
どうか、大きくならないで 花を咲かせないで・・・・毎日、そう願っていました。
ある朝、咲いた桜の花を見つけたとき 涙が出ました

亡くなった人は、ぜったいに還ってこない
時間とともにその現実を突き付けられ 何年もの間 前を見ることができなかった
ずっと、ぜったいに、元気になれない なっちゃいけない
楽しいことをしてはいけない 笑っちゃいけない そう思って生きていました

色んな人が言ってくれました。泣いていると将くんが悲しむよ 元気にならなきゃって。
でも、私は、泣くことは、それだけ 将くんを失った悲しみが大きいから
将くんへの愛の大きさの証だと そう思って 前を向くことを拒否して生きてきました。

5歳の息子を失った経験のある80歳になる私のおばあちゃんが
「私が、子供を亡くした時、自分の母親に、
『この子が死ぬぐらいなら、他の人が死んでくれたらよかった』と話したら、
母親に、『そんなことを言うもんじゃない』と怒られた。
でも、子供を失うという事は、それだけ 人として いけないことを思ってしまうぐらい 悲しい事。
誰に何を言われても この悲しみは、なくならない。
自分自身が、自分自身で納得させて生きていくしかない。
自分自身の力でしか前に向けない」と  泣きながら 話してくれました。

そうなんだ、子供を失った私、こんなにつらいのは、当たり前なんだ、と心が少し軽くなりました。
そして、子供を失って60年以上も経つのに 亡くなった子供のことで泣いているおばあちゃん。
私も、ずっと息子んことを思って泣くことができるんだ 悲しんでいられるんだと ほっとしました。

あんなに笑いたくない 笑っちゃいけない そう強く思っていた私なのに
今、私は、笑うことができる様になりました。

笑うことを思い出させてくれたのは、将くん。

あんなにいろんな人に言われても笑うことを拒否していたのに
あるとき、ふと 将くんの言葉が聞こえてきました。

『ママは、ずっと泣いている。僕が死んでしまったことで 
僕は、ママの人生を暗い人生にしちゃったの?そうだったら悲しいよ・・・』

そう思うことができたのは、娘の存在があったから。
息子を失った悲しみ 守ってあげれなかった後悔
自分が生き残ってしまった罪悪感は、一生消えることはないけれど

私は今 将くんために 将くんを悲しませないために
そして 優ちゃんのために  笑顔でいたいと思えるようになりました。
心から、そう思えるようになるには、あの時から何年もかかったけれど
このママの笑顔が、将くんに届いていると信じているから。。。

あんなに辛かった桜の花   今は、きれいだと思えるようになりました
そう思えるようになった 私の横で将くんも一緒に桜を見てきれいだねと言ってくれているそう信じているから

優ちゃん、泣いているママのそばに ずっといてくれてありがとう
あなたのおかげで ママは、もう一度、笑顔になることができました。

〜大切な人失った友達を持っているあなたへ〜
嘆き悲しむ友達にどう接していいかわからないかもしれない 
でも、どうか その悲しんでいる友達を受け入れてあげてください  否定しないであげてください
人として 信じられない言葉を言うかもしれない
でも、その言葉を言ってしまうほど、あなたの友達は  大切な人を失って辛いのです

どうか、どうか ずっとずっと 友達でいてあげてください
いつか きっと・・・ 時間がかかるかもしれなけれど  笑顔を取り戻してくれると思うから
そして、あなたと一緒に また笑える日が必ず来ると思うから・・・

2012年3月11日

Enter

過去のトップページはコチラから
想い

阪神大震災から

学校の授業で使ってくださったみなさんから
感想をいただきました。



★将君のホームページ内のすべての文章の無断転用はお断りいたします

SINCE 2000.01.17