1歳半で阪神大震災で天国へ旅立った息子と生きていてくれた娘のために


1995年1月17日 午前5時46分に起こった阪神淡路大震災で 私たちの息子は、1年6ヶ月の人生を終えました。息子を失った悲しみは私達が生きている限り決して消えることはありません。わずか1歳半で旅立ってしまった息子 息子の命をこれからも輝けるものにするために私達は息子のことを伝え続けます。そして、あの時、生きていてくれて絶望から再び生きる喜びを与えてくれた娘に心から感謝し娘のために今ある命を大切にして生きていきます。

心が弱っている時って やさしさを求めてしまう

私自身の感覚で感じられたら
どんなやさしさでもいいの

たとえば、飼っているワンちゃんが
私を一生懸命見つめてくれているだけで
なんだか、心が温かくなる

子供が、ママ〜って、の笑顔を見せてくれた瞬間

「あ〜 いいなぁ」 って思う

 

 

私たちは、悲しい経験をして悲しく辛い日々を過ごしてきた

ある人が そう言っていた

こんなにも悲しいとか 辛いとか感じるのは
一緒にいた時間が、本当にも楽しい時間だったからだと

その楽しかった時間を思い出して
とても寂しくて切なくて涙していた時もあった

でも、息子と過ごしたあの時間は
私にとっては、悲しい時間ではなくて
とっても楽しくて幸せな時間だった

だから、その時間を思い出すときに
涙ではなくて笑顔でいたいと思う


息子のことを忘れたわけじゃない
息子の死を受け入れたわけじゃない


ただ、息子を思う気持ちが形を変えただけ

自分の人生を一生懸命に生きることが
息子のためであり、
何よりも今そばにいてくれている娘のため、

そして、それが、自分自身のためだと・・・


12年かかったけど、
心からそう思えるようになったのは

娘がいてくれたから 娘の笑顔があったから
家族の支えがあったから

 

こうやって、今、幸せを感じられるのは

あの悲しく苦しい日々があったから
そう いう経験をする以前よりも
いっぱい いっぱい 幸せを感じることができるんだと思う


これからも、気持ちは、ジェットコースターのように
上に行ったり 急降下したりと、
きっと 大変だと思うけど

でも、生きていく道が、はっきりと見えた今
どんなに落ち込んだり、ぐちゃぐちゃになったとしても
きっと、又、ちゃんと前を向いて歩いていけると思う


家族と親戚の人たち、そして、私の周りにいてくれた全ての人に
心からありがとうを伝えたい


これが、12年経った 私の思い

 

2007年1月31日


道徳の副読本に掲載していただきました

Enter

阪神大震災から

学校の授業で使ってくださったみなさんから
感想をいただきました。



★将君のホームページ内のすべての文章の無断転用はお断りいたします

SINCE 2000.01.17