将くん・優ちゃんへ

将君が天使になったのは1才半のときだったから 4人そろってのクリスマスは
2回だけだったね。2回しか、将君にクリスマスを過ごさせてあげれなかったけど、
パパとママには、すごく楽しい思い出がいっぱいあるんだよ。

一度目のクリスマスは、まだ5ヶ月だったから、二人ともクリスマスが
何なのかもまったくわからなかったと思う。
でもママとパパは、二人が生まれるずっと以前からクリスマスが大好きだった。
だから、二人がママのお腹にやってきたときから
4人で過ごすクリスマスをとても楽しみにしていたんだよ。

二人が生まれたのは夏・・・。
ママの実家から初めて千葉のおうちに帰ったのが9月だった。
クリスマスの季節は、まだまだ先だったけれど、
パパとママは、4人で過ごせるクリスマスが早くこないかなって毎日思っていた。

ママの夢はね、
子供ができた時、大きな大きなクリスマスツリーを飾ざることだった。
だから、おばあちゃんにお願いして天井まで届くような大きな大きな
クリスマスツリーを二人のために買ってもらったんだよ。

初めてのクリスマスプレゼントは、ゼンマイ仕掛けでとことこ歩くアヒルちゃんと
小さな手に合うような小さいキーボードだった。
ちょうど、腹ばいをし始めていたので、そのアヒルのおもちゃをとりたくて、
二人で頑張って、前に進んできたよね。
そして、ボタンひとつで自動演奏するキーボードは、二人で触ったり、
たたいたりして音を出して遊んでいたよね。

ママが大事に、しまっておいたキーボードを パパが『将君がいた時に鳴っていた
音を聞きたい』といって、出してきたんだよ。何年かぶりに聞いた音色だったけれど
ママとパパの記憶の中に、その時の音楽がよみがえってきた。

電源を入れるとしゃべる言葉も、あの時の記憶のまま…。でも将君だけがいない。
ゆうちゃんが、そのキーボードの小さい鍵盤で、曲を弾いてくれたよ。
あの時は、大きすぎると思った鍵盤が、いつの間にか、ゆうちゃんの手には、
小さく感じられるようになっていた。あの時は、こんな上手にピアノを弾く二人が
想像できないぐらいに二人は小さかったんだね。

ママは、そんな小さな二人に三角帽子をかぶせて写真を
撮ったりして二人と一緒の始めてのクリスマスを楽しんでいたんだよ。



そして、1歳5ヶ月のときの2回目のクリスマス・・・。
0歳のときとは違って、色んなことがわかってきはじめていたよね。
11月の半ばを過ぎると色んなお店にクリスマスツリーが飾られ始められていた。
二人は、お店でツリーを見つけるとうれしそうにツリーの所へ走っていって、
飾りを触っていた。そして家で出したツリーにも大喜びだったよね。

ミッキーの仲間たちが、クリスマスソングを奏でる
オーナメントを鳴らしてあげると二人は、その音にあわせて踊っていたよね。

将君が旅立ってから今年で7回目のクリスマスがやってくるんだ。
今年もあの時のオーナメントを出したよ。あの曲を聞くと幸せだったあのときを
思い出して辛くなるけれど、やっぱりあの時を思い出したくて出したんだ。
将君はきっとあの時と同じようにうれしそうに聞いていてくれているよね。

将君は、すごくいたずらが大好きで、ツリーの飾りをさわっちゃダメって言った
ママの言葉をよく理解していて、ママが怒るのを面白がってわざとママを呼んで、
ママが将君のほうを見たときにわざと飾りをはずしては、下に落としていたよね。

そんなかわいいいたずらを見てると、ママは怒る気持ちになんかならずに
笑ってしまったよ。今日、パパがツリーを出してくれたよ。あれから何年も飾ってはしまっていたオーナメントが出てきた。将君が触れた飾りたち・・・

最後の4人のクリスマスには、ママは頑張ってケーキやお料理を作って
パーティーをしたよね。あの時の、メニューは今でもうちのクリスマスの定番の
お料理になっているんだよ。二人が、おいしそうに食べていたのを思い出します。

将君が、天国へ旅立ってからしばらくはクリスマスが辛くて、来なければいいと
思っていた。将君がいないクリスマスに将君が大好きだったツリーを出すことは
本当に辛かったから…。

でもね、だんだん、将君が大好きだったからこそそのツリーを出そうと思えるように
なったんだ。将君の喜ぶ顔を思い浮かべてね…(^o^)

今日も、パパとママとであの時の話しをしながらツリーを飾ったんだ。
ゆうちゃんは、将君と過ごしたクリスマスを覚えていない。
小さかったから仕方ないね。でも、パパとママは、あの時の楽しかった思い出を
いつも話しているんだよ。

家族でいるときだけが、心おきなく将君との思い出を話せる場所なんだ。
お友達の前でも話したいんだけどね、みんな、ちょっとだけ困った顔をするんだ…。
だから、将君のことだんだん話せなくなっちゃった。

その分、ママは、パパやゆうちゃんとたくさん将君の話しをしているから、大丈夫。
こうやって、HPでも、将君の事を書けるものね。

今年はね、将君がどこにいても楽しめるように思いっきり派手な
クリスマスパーティーをしようと思っているんだ。

パパとママは、また、クリスマスが大好きになったんだ。
クリスマスが近づくと将君と優ちゃんと4人で過ごしたときのように
クリスマスが来るのを楽しみに思えるようになった。

それは、4人で過ごしたクリスマスが、パパとママの人生の中で
心から楽しいクリスマスだったからだよね。

そんな、素敵なクリスマスの時間を一緒につくってくれた
二人にとっても感謝しています。
ありがとう・・・・

パパとママの大切な二人へ


2001年11月17日